タリヘーレとは、「光の子」という意味のラガ語。ラガというのは、南太平洋のヴァヌアツ共和国にあるペンテコスト島北部で話されている言葉です。メンバーの一人が、この地で儀式を経て、付けてもらったヴァヌアツ名がタリヘーレなのです。

ヴァヌアツ共和国は、オーストラリアの北東に浮かぶY字型をした島々からなる独立国家です。1980年にイギリスとフランスの共同統治領から独立しました。人口は30万人程度のミニ国家です。

ペンテコスト島は、これらの島々の中でも北の方にあります。


  
 
               






この写真は、ペンテコスト島北部。この社会には四つの階梯(位)があり、男たちは、豚を殺す儀式をすることによって、一番下の階梯から順番に上の階梯へとあがっていきます。タリヘーレという名前の中にあるタリというのは、一番最初の階梯の名前で、「子ども」という意味。初めて豚を殺す儀式を経験したものが、このタリ階梯にちなんだ名前を付けてもらえます。この社会では、豚は現金以上に貴重な財産であるとされていて、自分の貴重な財産を破壊し(殺し)、それを肉として人々に分配することが評価されるのです。

















タリヘーレ三重奏団のヴァイオリニストは、中学生の時に豚を殺す儀式を受けました。彼がこの地を訪れたのは、彼の父が仕事の関係でこの社会に長く滞在した経験を持っていたからです。ちなみに、彼の父も彼の母も豚を殺す儀式を経験済みで、父のヴァヌアツ名はモルメメア、母のヴァヌアツ名はメイマイアナ。