タリヘーレ三重奏団 plus 宮崎万里 演奏会
IV<ピアノ四重奏の愉しみ>



会場

今回は、新神戸にある神戸聖愛教会で演奏しました。たくさんの演奏会が行われている神戸では有名な教会です。1階で180席ほどありますが、ピアノ四重奏という演奏形態のため、1階席の一番前の10席は取り外していただきました。ですので、結局170席となったわけですが、今回は、150名ほどの方々においでいただいたため、1階席はほぼ満席の状態になりました。ありがとうございました。

この会場は音の響きも素晴らしいしうえに、教会の一般的な固い長椅子ではなく、演奏会場のようなふかふかの座席なので、まさにホールのような空間を作り出しています。ただ、チェロ奏者として少し困るのは、床が木ではなく大理石でできているため、チェロのピンを床に指すことができないといいう点です。そのために、ゴムでできたピン止めを使用して演奏をすることになります。ピン止めは、床に置いているだけですから、摩擦の力が弱まると動いてしまうことがあるのが難点というわけです。


曲目

今回で、「タリヘーレ三重奏団+宮崎万里 演奏会」は4度目となりますが、昨年東京で行った演奏会で演奏したブラームスのピアノ四重奏曲第3番とシューマンのピアノ四重奏曲に加え、モーツァルトのピアノ四重奏曲第2番を演奏しました。ピアノ四重奏という演奏形態がまだ知られていなかったウィーンで、モーツァルトは初めてこの形態の曲を書いたのですが、ピアノ協奏曲の小型版を想定していたようで、第1番は、ピアノが独奏楽器のように活躍する三楽章形式の小型協奏曲のような曲だといわれいます。しかし今回演奏した2番は、三楽章形式ではありますが、ピアノ独奏の色彩は薄れより室内楽的になっていると評されています。後のピアノ四重奏という室内楽を確立したこの曲を最初に演奏し、続けてブラームスを演奏しました。そして休憩を挟んで、シューマンの四重奏曲で締めくくりました。それぞれ演奏会のトリを飾るにふさわしい大曲3曲を演奏するということで、アンコール用の曲を準備していませんでしたが、拍手をいただいたため、シューマンのピアノ四重奏曲から第3楽章を再度演奏することにしました。この楽章は、チェロ・ソロから始まるのですが、演奏の初めにチェロのピンを固定しているピン止めがガクッと動いてしまい、ピンは譜面台の足とピン止めの間でかろうじて不安定に止まっている状態になってしまいました。その結果、いろいろとミスも出てしまって、お聴き苦しい点があったと思います。

次回の「タリヘーレ三重奏団+宮崎万里 演奏会V」は東京のルーテル市谷ホールで来年の8月に行います。こんどは、サンサーンスとデュボワのピアノ四重奏曲を中心としたフランス音楽にしようと思っています。