タリヘーレ三重奏団 演奏会 2026






昨年の3月に続き、響きの美しい神戸聖愛教会で、スメタナのピアノ三重奏曲 ト短調を中心とした演奏会を開催しました。演奏会の前後は、ちょうど日本各地で大雨が降り、各地で洪水が起こっていた時期でした。当日は、神戸でも大雨かも知れないという天気予報があったのですが、60名以上の方々においでいただきました。ありがとうございました。お陰で、その日は演奏終了まで雨はほとんど降ることもありませんでした。

スメタナのピアノ三重奏曲は1曲しかなく、それと並べて別のピアノ三重奏曲を配置するのもどうだろうかと考え、前半はアラカルト方式、後半にスメタナを置いた演奏会をという企画になりました。チェコの音楽といえばドヴォルザークが有名で、スメタナは『モルダウ』では知られていますが、それ以外の曲はほとんど知られていないのが現状です。そこで、「ほとんど知られていないけれど美しい名曲」というコンセプトで曲選びをすると、アラカルトで取り上げるのは、フランス近代音楽の小品が最適だろうということになりました。

フランス近代は、近代音楽を推進して無調に向かう前衛的な流れと、それに逆らって調性や旋律の美しさをあくまでも追求しようとする流れが交差する時代でした。昨年3月の演奏会で演奏したデュボワの「ヴァイオリン、オーボエ、ヴィオラ、チェロとピアノのための五重奏曲」が好評だったので、フランス近代の保守派の代表として、もう一度この曲を演奏しようということになりました。そうなると、タリヘーレ三重奏団にヴァイオリンとオーボエの助太刀が必要となります。そこで昨年と同様に、ミュー室内管弦楽団からヴァイオリンとオーボエに友情出演をお願いしました。

結局、ほとんど知られていない曲で、しかも旋律線も美しい小品ということで、19世紀から20世紀を生きながらポスト・ロマン派を自認したデュボワ、新古典派といわれたプーランクなどのフランス音楽と、それに、19世紀を生きたスメタナのピアノ三重奏曲を対比することになりました。そして前半の最初と後半の最初に、近代音楽の出発点となったバロック時代の音楽から、クヴァンツのトリオ・ソナタを「序奏」として演奏することも決めました。バッハのように知られた作曲家からすこしはずれた作曲家なので、「あまり知られていない」という今回の企画にはぴったりだと思いました。

年を重ねるたびに、指を使い続けると腱鞘炎がすぐに出てしまうなどの問題もあり、ピアニストもチェリストも、いつまで演奏会ができるのか多少は不安に思うのですが、とりあえず今回の演奏会を怪我もなく無事に乗り切ることができたので、演奏会終了後、すぐに、来年の演奏会実現に向けて企画づくりに入っています。

 
  
         クヴァンツ トリオ・ソナタ ハ短調            イベール 二つの間奏曲

   
          プーランク 三重奏曲より                デュボワ ピアノ五重奏曲より


 

      スメタナ ピアノ三重奏曲