タリヘーレ室内合奏団 演奏会

<ピアノ五重奏の楽しみ 〜ウィーンとパリから〜>





会場

新神戸にある神戸聖愛教会は、様々な演奏会が行われている教会として知られています。以前は弦楽アンサンブルで使わせていただいたのですが、今回はピアノが入るので弦とのバランスが心配でしたが、とても素晴らしく、ゲネラル・パウゼの意味が分かるような響きを実現してくれました。ピアノを舞台に上げるのは難しいので、平場での演奏になりましたが、客席の前一列を外していただいたので、バランスのよいピアノ五重奏の配置が可能となりました。

悪天候

前日まで晴れていたのに、演奏会当日は昼前から雨。結構激しい雨が降りました。雨が降ると演奏会を聞いてくださる人々の足に影響するので心配していましたが、雨にもかかわらず100名を超える方々にお越しいただきました。どうもありがとうございました。

曲目

最初に演奏したのはヴィエルヌの「ピアノ五重奏曲ハ短調」です。ヴィエルヌはフランス近代の作曲家で、生まれながらの盲目状態でありながら、フランクの最後の弟子として作曲とオルガンの演奏活動をつづけた人です。第一次大戦後に書かれたこのピアノ五重奏曲は、新ウィーン楽派の無調などの影響を受けつつも、フォーレ、ドビュッシーなどのフランス近代音楽の流れを踏まえ、フランクの持つロマン性をも引き継いだ名曲です。二曲目に演奏したのは、ヴィエルヌと同い年のフランスの作曲家、ルクーの歌曲集「三つの詩」です。ソプラノ独唱で、最初の二曲はピアノ伴奏で、最後の一曲はピア五重奏での伴奏という珍しい構成をとっていますが、とても美しい、ルクーらしさが光る歌曲集です。休憩のあと、シューベルトの「ピアノ五重奏曲<鱒>」を演奏しました。何の解説もいらないほど有名な曲です。フンメルのピアノ五重奏曲を演奏する団体のために書かれており、構成が、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、そしてピアノとなっています。アンコールとして、フンメルの弟子であったと言われているフランスの作曲家ファランクのピアノ五重奏曲第一番からスケルツォを演奏しました。

   
     ヴィエルヌ ピアノ五重奏曲ハ短調                           ルクー 三つの詩



     シューベルト ピアノ五重奏曲<鱒>