第6回しらかわホール・アマチュア室内楽フェスティバル
(2002年8月18日)




応募

名古屋のしらかわホールでもアマチュア室内楽フェスティバルが開催されているということは、インターネット情報で知っていましたので、こちらの方にも出演してみたいと考えていました。応募曲は、ブラームスの「ピアノ四重奏曲第3番」から第1楽章と第2楽章。カザルスホールのACFと同じ曲です。新しい曲を練習していなかったわけではないのです。しらかわホールでのフェスティバルの1週間後に予定しているコンセール神戸の定期演奏会のために、フォーレのピアノ四重奏曲第1番を練習はしていたのです。しかし、フォーレを応募曲にする勇気がなかなか出なくて、結局ブラームスにすることにしました。MD録音して応募し、結果を待ちましたが、なかなか連絡がきません。「落選か・・・まあ、いいや。18日に名古屋で演奏をしたら、24日の定期演奏会の練習も出来ないし、これでよかったな」と勝手に都合良く解釈していたところに「合格」の通知が。テープ審査(MD審査)は「予選」で、しらかわホールでの演奏は「本選」と呼ばれていました。カザルスホールのACFと違って、しらかわホールの方は、コンクールの様だ、という情報は以前から得ていましたが、「本選」という表現には、やはり「びびって」しまいました。

しらかわホール

コンサートマスターが名古屋在住で、しかも、しらかわホールのある名古屋中心地が彼の仕事場。迷うことなくホールへ。しらかわホールからいただいた案内では、出演の時間の30分ほど前に舞台の袖にくればよいということになっていましたが、どんなホールかも知らないので早めに到着。手続きを済ませて、一番乗りで控え室に。出演者は全員この大きな控え室に集合し、いくつかの練習室で演奏の直前に20分ほど練習出来るようになっていました。出演前の練習までかなり時間があったのですが、スタッフの方によると、我々に割り振られた練習室の最初の練習者が我々。今は誰も使っていないから、今から練習をしてもかまわないとのこと。ご厚意に甘えて、さっそく練習にかかりましたが、時間のたつのは早く、すぐに出演の時間がきました。

演奏前にホールを見てはいたのですが、ステージリハーサルがないため、どんな響きがするのか全く分からないままの出演となりました。出演直前に、ピアノの蓋をどの程度開けるのか聞かれましたが、どんなホールかもわからないので、適当に全開にしてくださいとお願いをして、舞台へ。
すばらしいホールでした。カザルスホールに決してひけをとらない見事な響き。こうしたホールのない神戸在住のものとしては、うらやましい限りでした。

講評

15組の演奏終了後、表彰式がありました。「優秀賞」4組、「ベスト・コンビネーション賞」1組、「チャレンジ賞」2組、「アットホーム賞」1組でしたが、我々は、なんと、「優秀賞」に選ばれました!!


四人の審査委員の先生方(指揮者の松尾葉子氏、ヴァイオリニストの大谷康子氏、音楽評論家の藤井知昭氏、音楽評論家の浅野隆氏)より以下のような講評をいただきました。

 1 ピアノとのバランスに留意すれば、さらにいいアンサンブルに
なるだろう(ピアノ全開→?)
 2 とても良いアンサンブルだと思います。ヴィオラがもう少し出て
もいいですね。ブラームスの室内楽の良さが出ていました。
 3 作品に対するアプローチ、各々の音楽性もとてもすばらしいグ
ループで、聴いていてうれしかったです!ただ、この編成(ピア
ノ四重奏)の場合、曲想によってはバランスのむずかしい所が
あります。PfがVlaやVcにかぶってしまうことがあるので、気を
つけてください。また、静かな、繊細な部分をさらに音程、音色
を合わせて演奏してください。一番お若い?哲理さんもなかな
かいい味を出していましたよ。さらに太い幅広い音色を出して内
声を支えてください。
 4  ピアノを中心にしたアンサンブルとしてはよく勉強されていると思
います。ただ、弦楽トリオの個々の力量をもう少し発揮されると良
いのだが!


懇親会

表彰式終了後、懇親会がありました。楽しい懇談会でしたが、ステージリハーサルを是非させて欲しいという出演者からの多数の意見が出され、検討していただけることになりました。懇親会では、「デュオ・ニイミ」(チェロとピアノの二重奏)「Duo Serafina」(フルートとギターの二重奏)の方々と懇談できました。

カザルスホールでは、自分たちの演奏を写したビデオが販売されましたが、しらかわホールではそれがありませんでした。そのかわり、MDを持っていくと、そこに自分たちの演奏を録音してもらうことが出来ました。とても楽しい1日でした。