タリヘーレ四重奏団演奏会 in 神戸 III 2013


東亜ホール

「タリヘーレ四重奏団演奏会 in 神戸」として今回で3回目となりますが、今回も今までと同様東亜ホールで行いました。このホールは、音の響きは良くはないのですが、ピアノが小柄で、弦とのバランスがとてもよく、ピアノの入った室内楽を演奏するには最適だと思います。規模も私たちにはちょうどで、椅子をめいっぱい並べると、180人程度が座れることになりますが、普通に並べて130−150席程度です。ホールのある階は、ホール専用なので、その点も好評でした。そしてなによりもそのロケーションがすばらしく、すぐに三宮ですので、演奏会終了後、買い物や食事なども十分に楽しめます。

今回は8月のお盆明続きの日曜日での演奏会でした。連日35度を超える猛暑が続く夏まっただ中で、しかも、まだ故郷に帰省されている方などがおられるなか、準備した120席がほぼ満席となり、盛況のうちに終了することができました。本当にありがとうございました。

演奏曲目


最初に、シューベルトの「ます」をすることが決まりました。シューベルトと言えばウィーンということで、今回はウィーンで活躍した作曲家の曲を集めようということになりました。選んだのは、モーツァルトとブラームスです。昨年ベートーベンを演奏したので、いままで取り上げてこなかったモーツァルトを入れました。ピアノ四重奏曲の演奏ではブラームスを外すことが出来ないので、昨年はブラームスの3番を取り上げましたが、今回は1番にしました。

モーツァルトの「ピアノ四重奏曲第1番」を最初に、続いて、ブラームスの「ピアノ四重奏曲第1番」を演奏し、15分の休憩の後に、シューベルトの「ピアノ五重奏曲<ます>」を演奏しました。どれも大曲で、大変でした。アンコールに、ファレンクの「ピアノ五重奏曲第1番」から第3楽章を演奏しました。

ピアノ四重奏にあと一つ弦を加えてピアノ五重奏にする試みの中で、フンメルがコントラバスを加える曲を試み、フンメルと親交のあったシューベルトも、それを参考にコントラバスを入れた五重奏を書いたと言われています。結局、ピアノ四重奏に第2バイオリンを加えた形のピアノ五重奏が主流になる中、このコントラバスの入ったピアノ五重奏は消えて行きました。残っている曲は、「ます」とフンメルの五重奏曲2曲、そしてフンメルの弟子のファレンクの2曲くらいだそうです。アンコールで演奏したのは、このフランスの作曲家で、女性として初めてパリ音楽院の教授となった人物の五重奏曲で、古典的だけどなかなかおもしろい曲でした。

今回は「ウィーン」でしたので、次回は「パリ」を舞台に曲目を決めようと思います。

     
                 シューベルト ピアノ五重奏曲「ます」